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除去作業
2021.12.16
written by 永田浩

今回は、某学校内のある教室のアスベスト除去作業です。

40年超えの建物なので、コンクリートの梁型にバーミキュライト(ひる石)が吹き付けてあります。

調査の結果、クリソタイルというアスベストが10%含有していました。

鉄骨とは違い天井裏は吹付はなく、見え掛かり部だけの除去作業なので、面積としてはわずかですが

室内は大養生となります。

アスベスト含有の吹付材で厚さ3~5㎜くらいです

床、壁、天井を厚0.1㎜のビニールシートで養生します。

 

作業場の出入口は簡易パイプを組み立ててビニールシートで囲ったセキュリティゾーンを設置します。

最低、巾90㎝長さ100㎝高さ200㎝のゾーンを連続して3室設け、外部から入ってすぐは保護衣・保護具を

着用する更衣室。真ん中はエアシャワー室で退出時に体に付着している粉塵を払い落とす所。最後の室は

前室で退出時最初に保護衣等を真空掃除機で付着している石綿を取り除き、廃棄用のプラスチック袋に

脱ぎ捨てて退場する所。それぞれの室の仕切りはビニールシートで作ったのれんを潜って通過します。

黄色の袋が使用済みの保護衣を入れる廃棄袋 白い箱の様な物は中央部屋設置のエアシャワー

セキュリティゾーン 中は3部屋に分かれています。

養生完了後、養生に不備がないか役所の検査を受けます。(工事前に役所と労基に届出を提出しているので)

廃棄物の一時保管場所も検査を受けます。通常はレンタルのコンテナを外部に設置するのですが、今回は場所の関係で室内に設置。入口開口部の関係でこの室に入る様 木製で造りました。

負圧集塵機を設置して作業場所の換気が出来るようになっているか これも検査を受けます。

上記排出口です。作業中の粉塵濃度測定も厚労省指定の第三者機関で行います

粉塵飛散抑制剤を散布して、スクレーパーで吹付材を除去します。除去作業自体は養生ほど時間はかかりません。この時期はまだマシですが夏場はメッチャ地獄です。ごくろうさまです。

除去完了です。コンクリートの地肌が見えていますね。

除去物は養生材とともに廃石綿であることを表示した黄色いビニル袋に詰めて口を密封した後、透明のビニル袋に入れ二重とし、エアシャワー室で付着物を取り除き場外へ搬出。

場外搬出した物は廃棄物一時保管場所へ詰め込み、廃棄物運搬車が引き取りに来るまで施錠して保管する。

産廃運搬車が到着すると一時保管庫から取り出して車に積み込みします。廃石綿は特別管理産業廃棄物となるので受け入れ先が広島県にはなく、岡山まで持って行きます。岡山県知事が発行する許可証も必要となります。こうして廃棄物は適正に処理されます。

 

この様にアスベストは強力な発がん性物質であるため、作業従事者や住民・利用者へ疾病発症に至らぬよう管理と対策をとらなければならず、除去作業そのものより、書類関係も含め事前・事後の作業が大変であります。

アスベスト除去が完了し、ムキ出しになった梁型の仕上げ作業及び天井の復旧作業と進んでいきます。

それではまた。

 

 

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