工務店とハウスメーカーの違いは?価格・自由度・建てたあとの付き合いで比べる
注文住宅を考え始めると、住宅展示場のハウスメーカーと、地元の工務店のどちらに頼むかで迷う方が多いのではないでしょうか。IKEHOUSEにも、大手のハウスメーカーを含めて何社かを比べながら、ご相談にいらっしゃる方がたくさんいます。
工務店とハウスメーカーは、どちらが上というものではありません。何を大事にするかで、合う相手が変わります。この記事では、広島で注文住宅を建てている工務店として、価格・設計の自由度・建てたあとの付き合いの3つで、両者の違いを整理します。
工務店とハウスメーカー、そもそも何が違う?
ハウスメーカーとは、工務店とは
ハウスメーカーと工務店に、はっきりした定義があるわけではありません。一般には、次のように呼び分けられています。
| ハウスメーカー | 工務店 | |
|---|---|---|
| 営業する範囲 | 全国、または広い地域 | 地域に根ざしている会社が多い |
| 家のつくり方 | 自社ブランドの商品(プランや仕様)を用意し、その中から選んでもらう形が基本 | 間取りや仕様を、お客様と打ち合わせながら決めていく形が多い |
| 建てる棟数 | 年に数千棟という会社もある | 年に数棟から数十棟の会社が多い |
| 実際の施工 | 地域の工務店などが下請けとして施工することが多い | 自社で施工・管理する会社が多い |
工務店とは、地域で家の設計から施工までを請け負う会社、と考えるとイメージしやすいでしょう。
ハウスメーカーの下請けから始まった工務店は少なくない
表の最後の行にあるように、ハウスメーカーの家を現場で建てているのは、地域の工務店であることが少なくありません。工務店の中には、はじめはハウスメーカーの下請けとして工事をしていたところも少なくありません。
下請けでも家を建てられるだけの技術があるなら、自分たちで直接お客様の家を建てればいい。そう考えて自社のブランドを立ち上げていくのが、工務店によくある流れです。
価格:同じ家なら、工務店のほうが安くしやすい
まったく同じ家を建てるなら、工務店のほうが安くできる。IKEHOUSEはそう考えています。
では、ハウスメーカーの価格に含まれているものは何か。大きいのは、会社としての信用、知名度、ブランドです。全国に名前の知られた会社が建てるという安心感に価値を感じ、それを重く見るのであれば、ハウスメーカーを選ぶのも1つの考え方です。昔からずっと「このメーカーの家に住みたい」と思っていた、という方もいらっしゃるでしょう。
ただ、覚えておいてほしいのは、「高いから良い家」とは限らないことです。価格の差は、家そのものの差というより、何にお金を払っているかの差であることが多くあります。
見積もりを比べるときは、総額だけでなく、同じ性能・同じ仕様どうしで比べているかを確かめてください。
性能を数字で比べるときの見方は、「UA値・C値とは?断熱等級との関係と、数字だけで家を選ばないためのポイント」で詳しく紹介しています。
自由度:規格住宅と、工務店の注文住宅
間取りや仕様をどこまで自由に決められるかも、工務店とハウスメーカーで違いが出やすいところです。まずは、よく聞く「規格住宅」「セミオーダー住宅」という言葉から整理します。
規格住宅・セミオーダー住宅とは
最近は、ハウスメーカーを中心に「規格住宅」が増えています。規格住宅とは、住宅会社があらかじめ用意したプラン(間取り・外観・設備などの組み合わせ)の中から選んで建てる住宅です。決まったプランをもとに、間取りや設備をある程度変えられるものは「セミオーダー住宅」と呼ばれます。
| 種類 | 間取り・仕様の決め方 |
|---|---|
| 規格住宅 | 用意されたプランの中から選ぶ |
| セミオーダー住宅 | 用意されたプランをもとに、決められた範囲で変える |
| 注文住宅(自由設計) | 敷地や暮らし方に合わせて、一から決めていく |
ハウスメーカーが規格化する理由
規格化する理由の1つは、施工をそろえるためです。建て方を決めておけば、施工のマニュアルを全国で統一できます。決まったこと以外の、いつもと違う工事をすると、そのぶん不具合が起きやすくなるからです。
もう1つは、営業の効率です。「この中から選んでください」という形なら、打ち合わせは短くすみ、営業担当者の違いによる話のバラツキも抑えられます。規格化は、たくさんの家を安定して建てるための、理にかなったしくみです。
一方で、規格住宅のデメリットは、用意された選択肢の外にあるものを選びにくいことです。
工務店は手間がかかる。そのかわり選べるものが多い
工務店の家づくりは、その反対です。IKEHOUSEでは、2〜3か月にわたって、毎週のようにお客様と打ち合わせを重ねます。決まったプランから選んでもらう家づくりに比べれば、手間も時間もかかるやり方です。
そのかわり、選べるものがたくさんあります。ただ、何でも言われたとおりにつくるわけではありません。選べるものが多いからこそ、プロの目で「ここは外さないほうがいい」「ここはそこまでしなくてもいい」とおすすめをします。
今はSNSで、家づくりの写真や情報をたくさん見られる時代です。見た目は素敵でも、暮らしてみると不便なもの、手入れが大変なものもあります。IKEHOUSEでは、「やってみたい」というご要望を聞いたうえで、その良いところと気をつけたいところを、1つずつ説明しながら一緒に決めていきます。

規格の枠から外れやすい要望の例
規格住宅では、用意された選択肢にないものは選べません。例えば、次のような要望は、規格の枠から外れることがあります。
- 土間や玄関ポーチを、小石の表情を見せる「洗い出し」仕上げにしたい
- タイル貼りの玄関ポーチの一部をくり抜いて、木を植えたい
- 気に入った壁付けの照明を自分で買って、取り付けてもらいたい(施主支給)
どれも、家づくりの中ではそれほど大がかりな工事ではありません。それでも、プランや仕様が決まっている規格住宅では、対応が難しいことがあります。工務店の注文住宅なら、こうした要望も、できるかどうかを含めて相談しながら形にしやすくなります。

IKEHOUSEで建てた家は、施工事例でご覧いただけます。
建てたあとの付き合い:責任が誰に返ってくるか
10年の責任は、どの会社で建てても同じ
新築住宅を建てた会社は、ハウスメーカーでも工務店でも、法律(品確法・住宅瑕疵担保履行法)で、引き渡しから10年間、建物の基礎や柱などの「構造耐力上主要な部分」と、屋根や外壁などの「雨水の浸入を防止する部分」に欠陥があった場合の責任(瑕疵担保責任)を負います。さらに、建てた会社には、保険への加入などで、この責任を果たすためのお金を確保しておくことが義務づけられています(国土交通省:住宅瑕疵担保履行法)。
つまり、法律で決まった最低限の責任は、会社の大きさに関係なく同じです。違いが出るのは、それ以外の不具合や、長く住むなかでの相談に、どう向き合ってくれるかです。10年を超える保証や定期点検の内容は会社ごとに違うので、契約の前に確かめてください。
何千棟のうちの1棟か、限られた棟数のうちの1棟か
ハウスメーカーは、会社として責任を取る体制が整っています。ただ、先ほどお話ししたように、現場で家を建てるのは下請けの会社です。どの会社が施工するかによって、仕上がりに差が出ることもあります。また、年に何千棟も建てる会社にとって、1軒の家は何千棟のうちの1棟です。
工務店は、建てる棟数が限られています。そのぶん、細かいところまで対応しやすいのが強みです。そして、建てた家の責任は、会社に、ひいては社長に直接返ってきます。地域で家を建てている以上、良くない評判はすぐに広がります。その怖さがあるからこそ、IKEHOUSEは、お客様の満足に責任を持ち、誠実に向き合うことをいちばんに考えています。
建てたあとも長く付き合う家づくりについては、「家は3回建てないと満足できない?注文住宅で後悔しない間取りの考え方」で詳しく紹介しています。
ハウスメーカーが合う人、工務店が合う人
工務店とハウスメーカー、どっちがいいかは、人によって違います。ここまでの違いをふまえると、それぞれ次のような方に合っていると考えています。
| ハウスメーカーが合う人 | 工務店が合う人 |
|---|---|
| 会社の信用や知名度、ブランドを重く見る | 同じ家なら、費用をなるべく家そのものにかけたい |
| 住みたいメーカーや商品が、もう決まっている | 間取りや素材に、こだわりたいところがある |
| 用意されたプランから選ぶほうが楽だと感じる | 打ち合わせを重ねて、一緒に決めていきたい |
| 打ち合わせの回数や時間を抑えたい | 建てたあとも、同じ相手に相談したい |
また、すでに建っている建売住宅を見て満足できるなら、建売住宅を選ぶのも1つの方法です。
規格住宅で収まるかは、自分の性格で考える
規格住宅を選ぶかどうかで迷ったら、ご自身の性格を考えてみてください。
家づくりは、打ち合わせを重ねるうちに「こうしたい」「あれもやりたい」と夢がふくらんでいくものです。夢がふくらむ前なら規格住宅の枠に収まっていても、話を進めるうちに枠から外れてしまうことは少なくありません。
自分にはこだわりがあると思うなら、最初から工務店に相談したほうが、あとで窮屈な思いをせずにすみます。
工務店の選び方:比較するときに確かめたいこと
工務店は会社ごとの違いが大きいので、何社か話を聞いて比較するのがおすすめです。ハウスメーカーの選び方としても、同じことを確かめておくと比べやすくなります。
- 打ち合わせの進め方:どれくらいの期間・回数で決めていくのか。要望に対して、良いところだけでなく、気をつけたいところも説明してくれるか
- 施工するのは誰か:自社で施工・管理するのか、別の会社に任せるのか
- 建てたあとの窓口:点検や不具合の相談は、どこに連絡すればよいのか。10年を超える保証や点検はあるか
まとめ
この記事でお伝えしたポイントは、次の4点です。
- まったく同じ家なら、工務店のほうが安くしやすい。ハウスメーカーの価格には、会社の信用やブランドも含まれている
- ハウスメーカーの規格住宅は、施工をそろえ、営業を効率よくするためのしくみ。工務店は手間がかかるぶん、選べるものが多い
- 法律で決まった10年の責任はどの会社も同じ。違いは、それ以外の相談にどう向き合うか
- こだわりがあると思うなら工務店、会社の信用や手軽さを重く見るならハウスメーカー。自分の性格に合うほうを選ぶ
IKEHOUSEでは、ハウスメーカーと比べている段階のご相談も受け付けています。IKEHOUSEの家づくりの考え方は新築(注文住宅)のページで紹介しているほか、宿泊体感ができるモデルハウスで、実際の住み心地を確かめていただくこともできます。